
一医院の最適化!MS法人の活用
2025年04月07日 20:06
医療法人化とMS法人、どう使い分ける?
― 開業数年目で考える「次の一手」【歯科コンサル対談】
開業して数年。利益も出始め、次のステージを考えるタイミング。
節税、資産形成、事業展開――その鍵を握るのが「医療法人化」と「MS法人」の活用です。
今回は歯科医院の経営者とコンサルタントの会話形式で、判断軸とリアルな試算をわかりやすくまとめました。
STEP1|医療法人化の検討ポイント
◆ 税制メリット
・所得税(最大55%)→ 法人税(約30%)へ
・利益が大きくなるほど有利
・配偶者や親族に役員報酬で所得分散が可能
◆ 資産形成
・退職金の積立が可能(個人不可)
・法人名義での保険加入・積立運用ができる
・事業承継スキームにも活用できる
◆ 信用・運営体制の強化
・融資・雇用における信用力アップ
・福利厚生の充実で職員満足度向上
・分院展開など将来の戦略に対応
◆ 中長期の経営戦略との整合性
・「節税」だけでなく「将来どうしたいか」が判断軸
コラム|よくあるタイミングの壁
・ものづくり補助金を申請中で法人化を見送り中
~大型の機械(ミリングマシン、CTなど)を購入時にものづくり補助金を利用した場合、5年は個人事業主の必要がある
・中小企業共済を短期解約 → 元本割れに注意
どちらもよくあるケース。法人化のタイミングは慎重に。
STEP2|MS法人の活用術
歯科医院も医科クリニックもほとんどが個人事業主。法人化は分院展開や出口戦略が決まっている人以外は積極的に行わないもの。
では、どのように収益管理をしているの?
MS法人について用途をまとめてみました
◆ 医業外収益の受け皿に
・自費・物販・セミナー等 → 医療法人で扱えない領域をMS法人で対応
・建物や機器の所有をMS法人名義にして、賃料で利益分散
◆ 人件費の分散管理
・医療事務・清掃・HP管理などをMS法人で雇用
・医療法人からMS法人へ業務委託
◆ 家族給与の柔軟な運用
・医療法人では制限がある配偶者給与 → MS法人では柔軟に設定可能
STEP3|試算で見る損得比較
前提条件:
・年商:1.1億円
・経費:9000万円
・所得:2,000万円(個人事業主時)
・法人化後:役員報酬1,200万円で設定
設定=配偶者は医療職ではない
年商は高いが勤務医がいる、開業後数年なので減価償却も多い、リースも多いので利益は少ない、という設定です(あるあるです)
自分に合わせて試算してみてください↑
結論|“いつやるか”が最重要
医療法人化もMS法人も、「やる・やらない」ではなく「いつ・どうやるか」がポイントです。
タイミングや補助金の状況を見ながら、数年スパンで設計していきましょう。
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