
自己紹介~2019年女医一人戸建て開業~令和の開業はキャッシュフローが大変。
2025年03月12日 22:09
自己紹介~2019年女医一人戸建て開業~令和の開業はキャッシュフローが大変。
開業の経緯と準備
私は沖縄県那覇市で6年前に歯科医院を開業しました。開業のきっかけは、親が所有していた土地があったことから、比較的スムーズに開業計画を立てることができた点にあります。しかし、実際に開業するとなると、想像以上に多くの課題がありました。
市場分析
開業前に商圏調査を実施したところ、500メートル圏内に8件、1キロ圏内に30件の競合医院があることが分かりました。しかし、このエリアは沖縄でも特に世帯収入が高く、裕福な家庭が多いことから、小児歯科や予防歯科の需要が高いと判断しました。
また、クリニックの立地も重要視しました。当院は1階に位置し、広い駐車場を完備しています。競合医院の多くは2階にあり、駐車場がないか、提携コインパーキングを利用していることが多かったため、視認性とアクセスの良さを活かすことで差別化を図りました。
開業時の課題と失敗
開業費用と資金計画
総額9,000万円の開業費用を計画し、運転資金として1,000万円を確保していました。しかし、内覧会の費用や設備投資が予想以上にかさみ、800万円ほどで発射、、
衛生士が思った以上に求人が来て。(なんと15人応募きました)厳選し
スタッフ6人(正社員)でスタートという無謀。初月月商300万円スタートはきれましたが、運転資金(レセプト入金は2か月後、つまり3か月分~5か月くらいの現金は必要。)あっというまに残高は100万円を切り。。
追加で500万円の融資を受ける必要がありました。特に開業当初はスタッフを多めに採用したこともあり、資金繰りに苦労しました。
コロナ禍の影響
開業して10ヶ月後、コロナ禍が発生。
患者の予約キャンセルが相次ぎ、医院の存続が危ぶまれる状況となりました。固定費を削減するために雇用調整助成金を活用しようとしましたが、開業時に受けた地域開発助成金との兼ね合いで適用できず、追加でコロナ融資を申請しました。
この間、診療は最低限の人数で続け、スタッフの出勤を半数に減らすなど、経費を徹底的に見直しました。その結果、数ヶ月後には状況が落ち着いたものの、経営の不安を強く感じた時期でもありました。
「防護服を着て5月は1人で診療してました!!」
スタッフは片付けのみ
育児との両立の難しさ
開業3年目、3歳の子どもが2階から転落し骨折。
3ヶ月入院することになり、私は医院を離れざるを得ませんでした。その間、勤務医に医院を任せましたが、赤字が続きました。院長が不在になることのリスクを痛感し、経営の仕組みを改善する必要があると考えるようになりました。
「コロナ禍で付き添いの交代制限があり、夫と交代ができにくかった」
「なんとか1週間ぬけだし、3日インプラントオペをまとめてやったな」
「勤務医にもしっかりインプラント埋入指導をすべきだったと反省しました」
成功への取り組み
ストック型ビジネスへの転換
当初はフロー型(治療ごとに収益が発生する)経営が中心でしたが、メンテナンス患者を増やし、ストック型(継続的な収益が見込める)へ移行することで、経営の安定化を図りました。具体的には、PHIJやMTMといった予防プログラムを導入し、歯科衛生士の指導の下で患者が定期的に通院する仕組みを作りました。
設備投資の計画的実施
開業当初は設備投資を最小限に抑えましたが、医院の成長に応じて徐々に拡充しました。具体的には、
セレック一式 1700万円
アイテロ 450万円
CADIAX 500万円
その他もろもろ
を導入し、矯正患者の増加や治療の効率化を図りました。
人材の確保と育成
スタッフの入れ替わりは避けられないため、常に1~2名の余剰人員を確保し、早期の採用を意識しました。また、給与や福利厚生を充実させることで、長期的に働き続けられる環境を整えました。
特に歯科衛生士については、定期的な研修や外部講師による指導を取り入れ、スキル向上を図りました。その結果、メンテナンス患者の継続率が向上し、医院の安定収益につながりました。
失敗からの学び
広告戦略の見直し
開業当初は内覧会に費用を投下。お金がなくてホームページは自作でした(笑)今も残っていますが、、
TOPページのみ、知り合いの方に整えてもらい、まだ使ってます。
8000~14000万円と年商が伸びた3~5年目
は広告費を5%に設定していましたが、集患の状況を見て3%まで削減しました。また、ホームページの構築やSNSの活用に注力し、費用対効果の高い広告手法を模索しました。😊いろいろやったよ!(ポスティング、イベント配布、イベント開催、リスティング広告、いろいろ)
代診の確保の難しさ
勤務医を雇用する際のコストは高く、特に代診を依頼すると1日で数十万円のコストが発生することもありました。そのため、勤務医にはインセンティブを強化することで、長期的に働き続けてもらう工夫が必要でした。
今後の展望
経営の持続可能性
マネジメントの強化: スタッフの役割を明確化し、効率的な運営を実現する。
DXの導入: 患者管理システムを最適化し、業務の効率化を図る。
分院展開の検討: 本院の増設または分院展開を視野に入れ、経営の拡大を図る。
まとめ
開業から5年間、さまざまな困難を乗り越えながら成長してきました。成功の鍵は、
立地の選定
ストック型ビジネスの構築
適切な設備投資と人材育成
これからも医院の成長と患者満足度の向上を目指し、日々改善を続けていきます。